ディクテーションの重要性

ディクテーションを行うと、「エレガント英語」を繊細・詳細に感じることができる

読者の皆さんが「エレガント英語」の繊細さ(delicacy)を感じる上において、いわゆるリスニングとして、何も書かずに、あるいは、何もメモすることなく「エレガント英語」を聴くだけでは、極めて不十分であると言わざるを得ません。

本書が提唱する“dictation”とは、いわゆる「書き取り」を意味する学習行為を指します。エレガント英語の習得を実現する上で最も妥当な学習方法は、単に、楽な方法でエレガント英語を聴くだけでなく、“汗”と“涙”で、「エレガント英語を聴きながら、その一語一語についてしっかりとノートに書き取る」という経験を積み重ねていくことが必要不可欠です。

「書かれた会話文を見ることなく、英語の音だけを聴きながらノートに書き取る」という学習方法は、実際、相当なる時間とエネルギーが必要となります。勉強を進めていく上ではたくさんの時間とエネルギーが必要となりますが、この経験は、エレガント英語を自分の言語とする上での「大きな柱」となります。逆に述べると、毎日、汗と涙で勉強努力をすることなく、「世界に通用するエレガント英語」を習得することは不可能です。

読者の皆さん、今、再び、1)「英語を感じる」という経験と、2)「繊細に英語を感じる」という経験の相違について考えてみてください。前者と後者は、一見すると「些細な相違」(subtle difference)として捉えられがちですが、実際のところ、前者と後者における関係性には「巨大な相違」(immense difference)が内在しています。