読み物カテゴリ: ‘哲学への招待’
“Good and evil”(動画による講義)
「138億年前に誕生した宇宙に浮かぶ銀河系、太陽系、地球において人間が経験する時空間」(動画による講義)
「宇宙を哲学する」(動画による講義)
“The root of atmosphere of an individual”(動画による講義)
Readability based upon rationality engenders the very matter of otium cum dignitate.
英語音声講義
⇒ Readability based upon rationality engenders the very matter of otium cum dignitate.(英語音声講義)
The quintessential meaning of humility in experiencing science
英語音声講義
⇒ The quintessential meaning of humility in experiencing science(英語音声講義)
音で、「理性性の調整(tuning)・微調整(fine-tuning)」を図る上での基礎的問題、及び、課題について
■音で、「理性性の調整(tuning)・微調整(fine-tuning)」を図る上での基礎的問題、及び、課題について
1 「静寂」と「無音」の相違についての理解
2 「音」と「声」の”概念的相違”についての理解
3 自己を「雑音」から遠ざける意味・意義についての認識・理解、及び、理性的咀嚼
4 「音量の効果・役割」と「音質の効果・役割」の相違についての理解
5 日常的な音に内在する「非日常的な音」に関する存在認識
6 理性性の一部を刺激する「活字の力」、及び、「音の力」についての総合的把握
7 「学術」と「芸術」の相関関係についての”超越的”理性的理解
8 「理性性の調整(tuning)」と「理性性の微調整(fine-tuning)」の間には大きな相違が存在する、という基本的認識・理解の存否
9 自己の存在性の完全独立・完全孤立の必要不可欠性
10 音が残す「余韻」「暗示感応性」(suggestibility)の効果・威力、等
宇宙史という”超越的巨大大枠”における人類史を総合把握・総合咀嚼し、「人間は、一体何者なのか」について哲学する重要性について
1948年、ジョージ・ガモフ(George Gamow, 1904-1968))は、”big-bang theory”(ビッグバン宇宙論)の基礎理論を発表した。現在の科学は、ビッグバン宇宙論では、宇宙の誕生は、138億年前のビッグバン(大爆発)をその起源とするが、これを最初に提唱した学者がガモフである。
ガモフは、ウクライナ出身の理論物理学者である。ガモフは、1934年にアメリカに移り、ジョージ・ワシントン大学、及び、コロラド大学で研究・教育に従事し、原子核物理学の発展に寄与した学者である。
宇宙物理学では、宇宙は、時間・空間・物質エネルギーもない「無」の状態から、「プランク時間」と呼ばれる『一瞬』のうちに起こったと推測されるのが通説である。この「プランク時間」は、通常の物理法則で成り立つものではなく、『この一瞬』は、いわゆる『“超越的”一瞬』(“transcendental” moment)である。プランク時間は、1秒の1000兆×1000兆×100兆分の1秒、まさにこれは『“超越的”一瞬』である。
ビッグバン理論においては、宇宙は、今から138億年前に、時間・空間・物質エネルギーのない「無」の状態からプランク時間が起こり、一瞬にして加速膨張したとされる。即ち、超越的高温、且つ、超越的高密度の中で膨大なる素粒子が発生。その後、クオークが結合して陽子・中性子が生成(温度は1兆度)、陽子と中性子が結合すると、水素・ヘリウムの原子核が生成(温度は10億度)された。38万年後には、空間において光が直進(温度は3000度)。10億年後には、銀河や惑星が形成。
宇宙空間において、銀河は、2000億から4000億個以上あると推測される。太陽系(the solar system)が浮かぶ銀河系には、2000億個以上の星があるとされる。太陽系が浮かぶ銀河系の大きさは、直径10万光年の大きさである。銀河系の中心には”bulge”(楕円状に膨らんだ中心部)が存在し、このbulgeから太陽系まで2万5000光年の距離がある。太陽系の中の「地球」(the earth)が誕生したのは46億年前。「人類」(humankind)が独自の歩み(系統性)を歩み始めたのは、今から800万年~500万年前である。
ここからは、人類の起源について述べていきたい。人類の起源は、言うまでもなく、「猿人」(Ape man)とするのが通説である。現在の研究では、最も古い時代の猿人は、エチオピアで発見されたラミダス猿人とされる。猿人は、類人猿とは異なる系統を歩んだことから、猿人の出現を、地球史最古の人類であると解される。170万年前にはアフリカに「原人」が出現した。原人の脳容積は、1000cc程度であり、猿人の2倍である。原人が進化すると「旧人」が出現(40万年前)した。その後、旧人が進化して「新人」(現生人類)が出現。アフリカで発見された「新人」(Homo sapiens sapiens)は6万~5万年前に出現。新人は、顔の形、骨格等、現代の人間と比べて、ほとんど変わることはない。やがて、地球は、1万年前に、更新世(氷期と間氷期)の終焉を迎えた。地球は温暖になり、完新世(地質的現代)に突入した。これにより、地球上の氷河が減少し、陸地は、現在の地球とほぼ同じ状態となった。
138億年前の宇宙の誕生から46億年前の地球の誕生、そして、800万年~500万年前の人類の出現という「『宇宙の誕生』から『人類の出現』」という”宇宙史・地球史の果てしなく長い歩み”を捉えるとき、理性的存在者としての人間は、次の5つの根源的問題について考える必要があろう。
その5つの問題とは、1)「宇宙とは何か」、2)「地球とは何か」、3)「空間とは何か」、4)「時間とは何か」、そして、5)「人間は、一体何者なのか」という問題である。これらの問題は、まさに一つの学問分野だけで扱う問題ではなく、関係する諸々の学問分野を通して学際的に研究されるべき問題である。そして、今、「この学際研究の『基盤』」となる学問分野が「哲学」であると、私は明言する。
英語音声講義
■人間に賦与された理性
⇒ reason supernaturally given to human beings(英語音声講義)
138億年前の宇宙の誕生、46億年前の地球の誕生、そして、「人類の出現」を視野に入れ、「”微生物”(microbe)としての人間」を哲学する
現在の宇宙物理学において、ビッグバン(big bang)による「宇宙の誕生」は138億年前と推定される。地球の誕生は、46億年前と推定。そして、この地球の歴史において「人類」(humankind)が”独自の進化”に入ったのは今から約800万年から500万年前である。
人類学・考古学における研究では、最古の人類は「猿人」、これは即ち、エチオピアで発見されたラミダス猿人(Australopithecus ramidus)を指す。後に発見されたアウストラロピテクス=アファレンシス(Australopithecus aphalensis)もエチオピアで発見された。
その後、更新世(約170万年~1万年前)に入るころに「原人」、即ち、ホモ=エレクトス(Homo erectus)がアフリカに出現した。原人の脳の容積は、猿人の2倍(1,000ccほどの容積)であった。その後、原人は、「旧人」、ホモ=サピエンス=ネアンデルターレンシス(Homo sapiens neanderthalensis、通称、ネアンデルタール人と呼ばれる)へと進化した。ネアンデルタール人は、12万年前から3万5000年前において、ヨーロッパから中央アジアに至るまで広域にわたって存在した。ネアンデルタール人の脳の容積は1,300~1,600ccほどであり、この容積は、現代の人類とほぼ同等であった。
約6万から5万年前には、人類最初の「新人」(新生人類)、いわゆるホモ=サピエンス=サピエンス(Homo sapiens sapiens)が出現した。この時点で、新人の骨格や顔の形は、現代の人間とほぼ同等のものとなった。新人が使用する「石器の技術」は、少しずつ進化し、人類は後期旧石器時代に入った。その後、やがて集落が生まれ、少しずつ、世界の至る所に文明が開化した。紀元後の2023年に生きる我々現代人は、この超・原始的集落を、「原始的人間社会の起源」(the origin of primitive human society)と捉えることができよう。
現代を生きる日本人の一人ひとりは、46億年前の地球の誕生、さらには、138億年前のビッグバンまで遡って「人間存在」(the existence of human beings)について深い思索を試みたとき、今現在、太陽系の中に浮かぶ惑星の一つであるこの地球の「小さな島国に生息する『自分自身』」の存在について、「実に取るに足りない『微小極まりない点』以下の”微生物”(microbe)である」という真実を捉えることができる。
言うまでもなく、人間は、地球を覆う大気圏(the atmosphere)の外に出てしまうと、単独で生きていくことができない存在者である。今ここで、「自分自身が、何らかの理由で大気圏の外に出てしまったら一体どうなるのか」ということを想像すると、いわゆる「人間存在の弱さ・儚さ」について自ずと認識・理解できよう。
一人ひとりの人間が、最も地に足の着いた方法で「人間存在の真実」について捉えるとき、明日からというよりも、「今日の今現在から、『人生、いかに生きるべきか』」という如き”人間としての根本問題”について哲学する確かな道筋が見えてくるに違いない。
大気圏(the atmosphere)の存在の意味
すべての人間には、「理性」(reason)が賦与されています。私たち人間は、日々、この「理性」を使って様々な事物・問題について考え、妥当な判断をし、そして、行動しています。本稿では、地球を覆う「大気圏」(the atmosphere)の存在を大前提として、「人間は、宇宙に浮かぶ一個の惑星の中に生息している存在者である」、そして、「人間は、地球という惑星の“大気圏内”でないと生息できない存在者である」という真実について考えてみましょう。
「大気圏」とは、言うまでもなく、地球の周りを囲む気体の総体を指します。大気圏には、空気の5分の4を占める窒素(nitrogen)、空気の5分の1を占める酸素(oxygen)、その他、微量ではあるが、水素、アルゴン、二酸化炭素、オゾン、ヘリウム等が含まれています。
体積としての空気の比率は、窒素4(78.10%)・酸素1(20.93%)の割合です。この比率は、地上から高度80km付近までほとんど変わりません。言うまでもなく、大気圏は、太陽の放射線から地球上の植物・生物を守り、同時に、地球表面の温度を(植物・生物等にとって)“適切温度”にする役割を果たしています。私たち人間において最も重要な認識事項の一つは、一事が万事において、「人間はこの大気圏の中に生息している」という“周知の事実”です。
前述の、「大気圏の中に生息している」とは、表現を換えると、「人間という動物は、『大気圏』(the atmosphere)という保護圏域において、理性的存在者として、“自らの意思で”一秒一秒呼吸している」という様相・有様を意味します。宇宙空間に存在する「地球」「人間」について以上のような捉え方を思索の基盤とし、今再び、「人間に賦与された理性」(reason given)について捉え直してみると、「人間存在に関する問題に内在する本質」について探究するための道のりを歩むことができます。