AX

読み物カテゴリ: ‘哲学詩’

”ほどほど”の美学

2023-03-27

”ほどほど”の美学

食事は、
欲張って食べ過ぎるよりも、
”もう少し食べたかったのに”で終わるほうが満足度が高い
そして、健康にも良い

恋人と会うとき、
二人で、意味なく長い時間を過ごすよりも、
時間を決め、限られた時間の中で”減り張り”のある過ごし方をするほうが、
相手をもっと好きになる

お酒も、
飲み過ぎるよりは、
”もう少し飲みたかったのに”で終わるほうが良い
そして、健康にも良い

何事も、
ほどほどが良い

人は、
この、”ほどほど”の美学について、
長年にわたって、
数多くの失敗を蓄積して悟る

思考が、”永遠の境地”へと導いてくれる

2023-03-20

思考が、”永遠の境地”へと導いてくれる

点の思考は、
その場限りの思考

線の思考は、
ある種の方向に向かう思考

空間の思考は、
空間の中に、
多種多様な思考の経験を溜めておくことができる思考

点の思考は、
何度異なる思考をしても、
それぞれの思考は無関係のまま
一つひとつの思考が無関係である以上、
そこに、価値ある発展を見ることはない

線の思考は、
一定の方向性はあるが、大抵は盲目状態
場合によっては、負の方向に向かうこともある

空間の思考は、
数々の異なる思考を経験しながら、
徐々に、真の教養と見識を養うことができる思考

原始的に言うならば、
人間には、
この、”空間の思考”を経験させるために、
”考える能力”が与えられている

では、人間は、
一体何のために真の教養と見識を養うのか

この問いのための思考は、
まさに、巨大空間の中で、
立体的に経験するべき思考

思考が、
”永遠の境地”へと導いてくれる

聞こえない人、聞こえる人

2023-03-13

聞こえない人、聞こえる人

この世の中には、聞こえない人が多い
多くの人が聞こえない理由は、実に明白だ

では、聞こえる人は、一体どうして聞こえるのか
この理由も、実に明白だ

聞こえる人には、
聞こうとする意識がある

誰においても、聞こうとする意識さえあれば、
いかなる音でも、いかなる声でも聞こえてくる

東洋文明社会、そして、西洋文明社会でも、
本質、及び、真理に到達する人は皆、
聞こうとする意識を備えている

本質や真理は、
決して、遠く離れた場所にあるわけではない
自分さえ、熱い気持ちで求めるならば、
本質や真理に到達するための音も声も聞こえてくる

音、そして、声は、
耳で聞くのではない

音、そして、声は、
賦与された知能を介して聞くものだ

永遠の愛の中心核

2023-03-13

永遠の愛の中心核

人を好きになるとき、
”これが好きだ”という”好き”があるものだ

人を好きになり、
やがて、愛するようになったとき、
一番最初に相手に対して抱いた”好き”を忘れないようにしよう

そもそも、人は欲張り
人が持つ愚かな一面は、
時の経過と共に、愛するその人に、より多くを求めるということ

愚か者は、
愛するその人に、より多くを求める

一番大切な人を賢く愛する術を知っている人は、
年を取っても、
最初に、相手に対して抱いた”これが好きだ”を忘れない人

人を愛するということは、
相手の”これが好きだ”を、
永遠に愛し抜くということ

分裂し始めた鉄板

2023-03-12

分裂し始めた鉄板

もう既に、
長い年月にわたって鉄板に苦しめられている

鉄板は、
体に重く伸し掛かり、
体を支配し、
呼吸を困難にさせる

鉄板は、私の背中にある
この鉄板が、近頃、分裂し始めた

鉄板が分裂する
この分裂は、一体いかなる意味を示しているのか

鉄板が分裂する
それはまるで、巨大なコンクリートの塊が、
何かの衝撃で粉々に砕け、大中小のたくさんの塊になってしまったような致命的な分裂

これから、さらに鉄板の分裂が進み、小さな鉄の塊ばかりになるのか
それとも、分裂の後、また再び融合するのか

背中の激痛が始まったのは2007年6月
現在、2023年3月を迎え、
激痛が始まってから16年になる

鉄板の変化は、一体何を意味しているのか
鉄板の変化は、新たなる激痛の局面に入るのか

私自身、
それを知る余地もない

過酷な試練を背負う命

2023-03-12

過酷な試練を背負う命

理解には二つある
一つは、浅い理解
もう一つは、深い理解

命が存在する範疇も二つある
一つは、地域性の範疇
もう一つは、普遍性の範疇

地域性の範疇で生きる者における事物の理解は、
浅い理解で足りる

その理解は浅いが、
地域性の中にどっぷりとつかっている者は、
”その浅さ”が、”十分に深いもの”と勘違いする

一方、普遍性の範疇で生きる者における事物の理解は、深い
言うまでもなく、事物における本質、及び、真理に到達するには、相当深い理解が必要となる

理解という代物は、
実に厄介な代物

理解という代物は、その理解の程度が深過ぎると、
どんどんと底に向かって突き進んでしまう

突き進む場所が、
”地域的な”底であれば心配ない

理解が地域性を超越してしまうと、
その理解は、その、”地域的な”底を突き破る

その理解は、後に、地球の中心を突き破り、
やがては、地球の反対側の表面に出てしまう

地球の反対側に出てしまった”超越的理解”を備えた者が背負う”命”
もし、この命が、飛び出してしまった”その地域の表面”で自己の命を全うしようとするのであれば、
その命には、命の宿命としての数々の過酷な試練が待ち受けていよう

“Gorgeousness in my heart”

2023-03-11

英語朗読

⇒ Gorgeousness in my heart (英語朗読(with music))
⇒ Gorgeousness in my heart (英語朗読(solo))

Gorgeousness in my heart

I hear a ring stimulating my soul coming from somewhere just now

do I feel finite or infinite in a process to hear it?
do I substantially feel something infinite in my soul?

the infinite itself is a delusion in my heart
I now came to feel a fruitful vibration deriving from somewhere mysterious
such vagueness gives me essential stimulation inwardly

gracefully in my heart,
I value it highly

I feel some gorgeousness I cannot express in my heart

欠落の美学

2023-03-06

欠落の美学

人は、完璧を好む
たとえば、何の欠点もなく、何の不足もない美の面前で、
人は心を奪われ、陶酔する

一方、迎える一日一日、
常に最上の美と向き合っている人は、
時折、欠点も不足もない美に対して魅力を感じなくなることがある

最上の美、
毎日、この美と向き合っている人の審美眼は、
凡人の審美眼にはない特殊性を持っている

欠けているから美しい
足りないから美しい
歪んでいるから美しい
整っていないから美しい

最上の審美眼を介して美の究極的境地を探究する道
この道に、終わりはない

恍惚の二枚舌

2023-03-04

恍惚の二枚舌

理想と現実
人間は、理想の中に現実を見るのか、
それとも、現実の中に理想を見るのか

崇高な理想は、
低俗な現実から人間を解放する

では、人間が日々経験する現実は、正真正銘の現実なのか、
または、恍惚の中で夢想する非現実なのか

目が覚めたとき、
現実であった現実が、現実でなくなることがある

人間は、日々経験する諸々の現実について、
それらが、自分自身の無知・無学から生じた誤解であったことに気付くことがある

思考しない人間は、
恍惚の魔術に騙される

魅了される経験と、騙される経験は、
まさに紙一重

魅了される三次元と、騙される三次元
人間という生命体は、この両者の狭間で生きている

幸せの量は決まっている

2023-03-03

幸せの量は決まっている

幸せの量、
これを、数字で表すことは不可能だ

幸せの量は、無制限にあるのか、
それとも、その量には限りがあるのか

人間は、
一つの幸せを得ると、
その後、一つの幸せを失う

幸せの量には、限りがある
それ故、他の人間よりもたくさんの幸せを得て、
貯金箱のように、そのたくさんの幸せをためておくことはできない

幸せの量には、限りがある
それは、冷蔵庫に入れる食材の量には限りがあることと同じことだ

世の中に、
たくさんの幸せをためておく貯金箱があったらいいのに

世の中に、
たくさんの幸せを、新鮮な状態で、
そっくりそのまま入れておく冷蔵庫があったらいいのに

かりに、幸せを保存できる冷蔵庫があっても、
その冷蔵庫の中に保存できる幸せの量には限りがある

幸せの量には、限りがある
限りがあるからこそ、
人間は、一つひとつの幸せを大切にする

幸せの量には、限りがある
人間は、この、”限り”の意味について、
年を取りながら、少しずつ悟っていく

生井利幸事務所 〒104-0061 東京都中央区銀座3-14-2 第一はなぶさビル5F
Copyright© 2003-2024, Toshiyuki Namai All Rights Reserved.